SLT（選択的レーザー線維柱帯形成術）｜高槻市の眼科『にしがき眼科』

SLT（選択的レーザー線維柱帯形成術）について

SLTとは、選択的レーザー線維柱帯形成術（Selective Laser Trabeculoplasty）という治療法です。この治療法は、眼圧を低下させる効果が高いレーザーを使用します。
具体的には、低エネルギーの短パルスを線維柱帯という房水の流出経路に照射することで、体内の自然治癒反応が引き起こされ、房水の排出機能が改善されます。これにより、眼圧が下がるのです。
このレーザーは非常に低出力であるため、眼内構造に損傷を及ぼすことはありません。

SLTをおすすめしたい方

点眼治療のみで十分な効果が得られていない方
複数の点眼治療が困難な方
毎日点眼することがつらい、点眼を忘れやすい方
これまで緑内障点眼で副作用が出た方
妊娠・授乳中で点眼治療ができない女性の方
生活リズムや仕事の関係で点眼を続けることが難しい方

第一選択治療としてSLTを選んだ場合のメリット

1回のレーザー治療による効果は2～3年間持続するため、点眼治療のような紛らわしさはありません。さらに、2～3回の追加治療が可能であり、一時的に点眼をせずに管理できる可能性があります。
ただし、個人差により効果は異なりますので、レーザー治療後に十分な眼圧の低下効果が見られない場合には、別の治療法（例えば点眼治療）を追加する必要があります。

SLTを選択するタイミング

緑内障と
診断された
第一選択治療
SLT
点眼1剤治療
第二選択治療
SLT
点眼2剤治療
第三選択治療
SLT
点眼3剤治療
薬剤混合処方
補助的治療
SLT
観血的手術

治療初期における点眼とSLTの比較

SLT点眼

治療方法

治療前に点眼麻酔をし、専用のレンズを使用しレーザーを照射する

毎日決まった時間に点眼を行う

費用（３割負担）

・レーザー治療代
29,000円前後(片眼)

・点眼薬2年間
36,000~72,000円

長所

・非侵襲的方法であるため繰返し治療可能
・就寝時間帯眼圧変動の抑制力翔待できる
・一回の治療で2～3年間効果が期待できる（個人差あり）
・毎日点眼の煩わしさがない
・保険適応

・手軽に始められる
・一回の診察代が安い
・保険適応

短所

・一回の施術費用が高い
・全ての方に選択可能な治療ではない

・毎日の点眼が面倒
・点眼薬によるアレルギーが生じる場合がある

副作用

・結膜充血
・かすみ
・重圧感
・眼圧上昇

（上記全て一過性のもの）

・結膜充血
・眼瞼色素沈着
・伳毛多毛
・上眼瞼のくぼみ
・心不全
・呼吸困難（喘息の方は禁忌）
・妊娠中､授乳中の方への使用は安全性が確立されていない

SLTの料金

片眼（3割負担の場合）約29,000円

※手術となりますので各種生命保険が利用出来る場合があります。詳しくはご加入の保険会社にご確認ください。

SLTをお受けになる方へ

・個人差があるため、色素の色や隅角の形によっては効果が異なる場合があります。
・一時的な副作用として、結膜充血、眼圧上昇、かすみ、目の重圧感などがありますが、問題はほとんどありません。
・緑内障が後期である場合、他の治療法をおすすめする場合があります。
・治療時間は短く、5〜10分程度で済むため、入院する必要はありません。

SLTについてQ&A

Q. SLTに痛みは伴いますか？: A.いいえ。ほとんど痛みはありません。（個人差あり）

Q. SLTの治療時間はどのくらいですか？: A.患者様の症状や治療範囲によって異なりますが､通常5～10分程度で終了します。

Q. SLTは入院が必要ですか？: A.通院で行いますので入院は不要です。

Q. SLTで効果がなかったらどうすればよいですか？: A.その場合、点眼を更に追加したり、手術を考慮します。